
フィールド・サイン
野生の生き物たちは、たとえその姿を見ることができない場合でも、どこかに生活をしていた痕跡を残しています。ライチョウの生活痕跡は、ねぐら跡・休息跡・砂浴び跡・抜け落ちた羽毛・足跡・採食痕・フンといったものがあり、それらを丹念に観察すると、いろいろな行動が推測できます。

いっしょに砂浴びをする番(つがい)
羽毛につく寄生虫を除去するため砂浴びをします。また春先には同じ動作で雪浴びもよくします。

砂浴び跡
砂浴びのよく行われる所では、丸いくぼみができています。土の乾きぐあいで、新旧の判別ができます。

ねぐら跡
雨が続いた後によく見られる岩の下のねぐら。羽毛やフンが散乱しています。

見張り場
見張り場としてよく利用する岩の上には、雄のフンが堆積しています。
フンのいろいろ

冬のフン
繊維質が多く、パサパサしています。

春のフン
ねばり気が出て、光沢があります。

ヒナのフン
芽生えたばかりの若葉を多く食べるため、緑色が鮮やかです。

果実食の季節のフン
ガンコウランやクロマメノキなど、青色の果実を多量に食べる季節。

抱卵糞
卵を抱いている雌は、1日に2〜4回、採食のため巣を離れます。その際、ガマンしていたフンの排出をするため、このような大きなものになります。これを抱卵糞と呼び、このフンの発見で近くに営巣中の雌がいることを判断できます。